先日、運命の出会いがありました。スーパーの中にあるお花屋さんの端っこで、鉢植えの可愛い観葉植物を発見しました。
名前もよくわからない観葉植物だけど一目で「いいな!」と思い、とても気になってしまいました。値段を見ると、3500円が2000円に値下がりしており「さらにいい!少し下の方の葉が、傷んでいるけれど、値下がりしている理由はこれかな。約90㎝の観葉植物でこれはお買い得!!」
夫に買ってもいいかと相談すると「2000円くらいならいいんじゃない?」とあっさりOK!これは「きっと運命!!」と急いでお迎えに上がった次第なのです。
まずは家にって、水をあげることにしました。鉢植えには蝶のご遺体があり「ひえっ!お店ではなかったはず。どこかの枝に引っ掛かっていたのかな?」とちょっとドキドキ。
すべての葉を洗うように流しながら、水やりをしました。そして土の上でボロボロになっていた置き肥や枯れ葉を撤去。
その時に気づいたことは、思っていたより葉に茶色いところがある、ということと根が鉢にいっぱいになっているから、早く大きい鉢に植え替えしてあげた方がよさそうということ。
その後、この観葉植物がゴムの木フィカスであることがわかりました。
そして、葉が茶色くなっていることを調べていくうちに、もしかしたらこのゴムの木は病気なのかもしれない…(~_~;)と心配になってきました。
ゴムの木が病気!?
最初は、葉が茶色いのは店頭に置いていた場所から、ただの葉焼けだろうと軽く考えていたのです。しかし、
- 下葉は植物の生理的に茶色くなって落ちることはあるが、このゴムの木はところどころが葉ない(おそらく葉が茶色になって、見栄えが悪くなったので、店側がちぎったのだろう)
- 一枚だけでなく、新葉以外のいろんな場所に茶色い点があり、不自然(今後も増えて行く可能性が高い)
- 茶色くなっている部分にうっすら白いところもあり、楕円計に広がっている(小さい点は今後大きくなるのかもしれない)
- よく見ると葉に白いポツポツとした点がある(擦っても取れないので、葉水による水道水の結晶化ではなさそう。模様かもしれない)
- 茎や葉に白いところがあるが、カビなのかもしれない(ゴムの木の汁の可能性もある)
- 虫は目視では確認できない
という様子をもとに素人判断ではありますが、最悪の場合は炭疽病かもしれないという結論に至りました。
斑点性の病気(炭そ病(炭疽病)、褐斑病など)
http://www.makimo-plant.com/modules/maintenance/index.php?content_id=64
カビによるものが殆どで、円形や楕円形の病斑ができ、その部分が枯れてたり、斑点が拡大して全体や一部が枯れる。
褐斑病は葉に、炭そ病、斑点病は葉と茎に発生し、植物の種類やカビの種類によっても症状が異なります。
葉先や縁などから大きな病斑を作り枯れてくるものや、葉の全体に小さな斑点が出来て次第に大きくなって枯れてくるタイプなど様々あります。
ゴムノキ類、ドラセナ類、ヤシ類、クロトン、ペペロミア、モンステラ、アナナス類、サボテンなどに被害が多いです。
多湿の時に発生する傾向が多く、特に初夏と夏に多く発生します。
この炭疽病の一番恐ろしいところは、原因がカビ故に、風や水滴から菌糸が飛散すること(近くにある観葉植物に染る)ことです。手遅れになると、植物を枯らす恐ろしい病気です。
室内で観葉植物を育てている人ならわかると思いますが、数ある観葉植物の病気の中で一番なっていて欲しくない病気がこの炭疽病です。
発見が初期ならば、茶色くなった葉を取り除き(ちぎった葉は被害拡大を防ぐために、密封の上で焼却処分)薬剤散布だけでいいらしいです。
次に考えられる可能性が、うどんこ病です。これも処理の仕方は炭疽病と同じように、葉をちぎって、薬剤散布です。
しかし、もしも葉焼けや根詰まりならば、見栄えは少し悪いですが、葉緑体の残っている葉を無理矢理ちぎる必要はありません。だから間違っていたらただただ可哀想。
しかし、判断を誤り、カビが原因の病気だった場合は、部屋中の観葉植物が侵され、
燃やすしかないよ。この森はもうダメじゃ。手遅れになると、谷は腐海に呑み込まれてしまう。(風の谷のナウシカより)
という状況になってしまいます。
早急に外に出すと最悪の事態は回避できるけど、きっと朝晩の温度変化でゴムの木がさらに弱り、回復不可能な状態に陥ることは安易に想像できます。
苦渋の決断ですが、初期の炭疽病であるということを前提として処理することにしました。薬剤散布には少なからず抵抗があるのですが、他の虫や病気の予防にもなるので、前向きに考えることにしました。
殺菌の処理方法
必要なもの
- 殺虫剤(住友化学園芸 殺虫殺菌剤 ベニカグリーンVスプレー 1000ml)
- 手袋とマスク
- ちぎった葉を入れるナイロン袋
風の強くない日の室外にて、茶色くなった葉をちぎり(ちょっとしか茶色くなってない葉も心を鬼にして処分)風上から薬剤を散布しました。全体がびしょびしょになるようにたっぷりとです。薬剤は逆さ散布できるものが便利です。
思い切って19枚あった葉が9枚に…( ;∀;)
ちぎった葉は菌糸が広がらないように、ナイロン袋に入れて燃えるゴミで焼却処分です。
その日は、そのまま薬剤が乾くまで日陰に放置しました。数時間後にはすっかり乾いていたので、室内へ。
この日はここまでの作業です。
植え替え方法
数日後に、やっと一号大きい鉢と観葉植物の土を購入してきました。
必要なもの
- 今より一号大きい鉢と受け皿
- 底石
- 観葉植物の土
- 清潔なハサミ
- 竹串
- スコップ
- 軍手
植え替えは、庭など外でする場合が多いので、真夏日と10~14時くらいの時間帯は避けて、早朝や夕方にするのがベストです。植物にとっての葉焼けも人間にとっての熱中症も怖いです。
まず、鉢からゴムの木を出そうと引っ張ってみましたが、みっちり入っているのかビクともしません。無理強いはせずに、竹串で鉢と土の間を刺して隙間を作っていきます。
すると今度はスルッと取れました。
取り出した根っこを見てみると、案の定鉢の中は根っこでいっぱいだったようですね…。
えっ…じゃあやっぱり葉が黒くなっていたのは、ただの根詰まりだったの!?葉っぱちぎっちゃう必要なかった!?(; ・`д・´)いや、でもずっと病気の可能性が捨てきれないのもモヤモヤするし…。
多少不安をかんじながら、植え替えを続行します。
根っこは、土から出ていた部分の黒くなって枯れている部分を清潔(消毒済み)のハサミでカットしました。土の中の根っこには特に傷みは見受けられなかったので、今回はそのまま植え替えることにしました。
ゴムの木というのは根っこの要らない部分は、カットしてもいい植物のようなのですが、多少なりともゴムの木を傷つけることになり、ストレスでこれ以上葉っぱが落ちるのが怖いのでしませんでした。
このゴムの木には、どんどん大きくなって、出来れば今の倍くらいの大きさになってもらうのが私の目標です。うまくいけば1年で15センチくらい伸びるらしいのですが、何年かかることやら(^-^;
根っこの古い土を約3分の1取り除きます。
古い土の表面はカラカラのカチカチで、根っこのまわりの土もパラパラでした。数日前にあげた水がとどまっている気配がありませんし、このかんじでは土の養分もほとんどなかったのではないでしょうか。
ゴムの木くん、キミは一体何年この鉢で暮らしてきたんだい?
新しい鉢に底石を敷いて、その上に3センチ程になるように土を入れます。
そして、ゴムの木を真ん中に配置します。
まわりに土を入れていきます。
全体に土が入ったら、鉢ごと数センチ持ち上げてトントンと数回地面に落とします。
減った土を補充し隙間全体に土が入ったら、お水をたっぷり(鉢底から流れ出るくらい)あげて完成です。
その後は、1週間くらい室内の直射日光が当たらない場所で過ごしてもらいます。人間でいうところの手術後の集中治療室のようなかんじですね。
植え替えから一週間後
葉っぱの様子は、特に変化はありません。植え替えをすると、それだけで植物にはストレスになり、下葉を落とすことが多いのですが…ちょっと一安心です。
これからは、本来置く予定だったところに置きます。
状態が落ち着いてきたようなので、つい頑張って欲しい気持ちで肥料を与えてしまいそうになりますが、水だけで様子をみます。
少なくとも、1~2ヶ月は肥料を与えてはいけないようです。植え替え後すぐの肥料はゴムの木にとってダメージを与えてしまうものなのだそうです。
その後・・・(数年間の様子)
この年は、明るいカーテン越しの日光の入る窓辺で過ごしてもらいました。
秋頃までは順調に新葉も生えてくれたのですが・・・だんだんと寒くなるにつれて元気がなくなっていきました。
エアコンの風と温度差は特にダメで一枚また一枚と葉が落ち、ついには二本あったゴムの木のうち一本が完全に枯れてしまいました。
その後はどうなることかと思いましたが、何とか一本だけで生き延びてくれています。下葉がなくなってだいぶ寂しくなっちゃいました。
2年目になってようやくこのフィカスという木は、他のゴムの木よりも寒暖差に弱いデリケートな観葉植物であることに気がつきました。強すぎる日差しにも弱いし。
その後、数年育ててみて、葉の一部が茶色く枯れるのは、寒暖差によるダメージの可能性が高いという結論に至りました。
購入時に殺虫剤をかけた意味ナシ・・。いや、あの殺虫剤は、その後ハダニやコバエが発生した時にお世話になったからいいかな。
3年目の春に、茎から小さな葉が生えてきました。赤くて小さいですが、大きくなるといいなぁ。
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