桜の季節になりましたね。満開の桜の木を見ると春を実感します。
お花見文化
3月下旬に上野公園に行くと、咲いている桜の木の方が遥かに少ないのに、みなさんつぼみの桜の木の下で早くもお花見をされていました。
その日は少し風があり、肌寒い季節だったにも関わらずです。
それと同時に驚いたのは、外国人観光客の多いこと!桜を見に来ているのか、まだ咲いてもいない桜の木の下で宴会をする酔狂な日本人を見に来たのか。
カラオケで盛り上がっている一般のお花見客を外国人観光客が写メっている姿は何だか笑えました。
お花見に来てお弁当を食べて騒ぐのって、日本人だけらしいです。
ポトっと
ところで、桜の木の下を通ると桜の花びらだけでなく、花がらが落ちていることがありませんか?
こんなかんじのです。
子供は見つけたら「ラッキー!!」とばかりに喜んで拾いますよね。自然に落ちてきた?それとも誰か心無い人がちぎった?
謎は深まるばかりでした。
犯人は?
ふと桜を見ると、どこからもなく「ホーホケキョ!」なんて風流な声。
そっとその姿を探してしまいます。しかし見つかるのはスズメばかり・・・。
そして、ぽとぽと落ちてくる桜の花がら。よくよく観察していると、スズメが桜をくわえています。
そう!犯人は、スズメだったのです。
実は彼らスズメが桜を落とすのは、その蜜を食べるためだったのです。
スズメが桜の蜜を食べることは「盗蜜」と呼ばれています。発見されたのは1980年頃といわれており、当時は珍しい光景だったそうです。
しかし、現在はどこの地域でも見ることができるまで広がってしまいました。
あえてスズメは桜の蜜を「食べる」と書いているのには、理由があります。
スズメ以外のメジロやヒヨドリ、シジュウカラなどは桜にくちばしを突っ込んで桜の蜜を上手に吸います。
くちばしが細く、長く進化した彼らにとっては桜の蜜を吸うなんてお手の物なのです。
一方で、スズメが桜の蜜を食べるというのは、先ほど述べたように1980年頃からと、比較的歴史が浅いのです。
彼らのくちばしは太く短く、その歴史が浅い故に桜の蜜を吸うことに適応していないのです。
そのため、スズメは桜をちぎって、蜜があるところを噛んで食べます。
そして食べ終わった花がらをポトリと落とすのです。
困っているのは桜です。スズメ以外の野鳥は蜜を吸う代わりに、花粉を運んで受粉を手助けしてくれます。
しかし、スズメは桜をちぎって、蜜があるところを噛んで食べるので桜にしては受粉の手助けもしてもらえず、本来の目的を果たすことが出来ません。
おわりに
落ちている桜の花がらがスズメの食べかすなんて少し残念ですが、桜の花びらを咥えているスズメはなかなか可愛らしいものです。お花見を桜だけでなく、バードウオッチングとして楽しむのもまた一興ではないでしょうか。
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